用例 墨場必携

少字句篇1(二~六字)


松下有清風 故事
(半切)
松の木を清風が訪れる。

白雲無語 慧智
(半切扁額)
白雲は何も語らず、ただ存在するのみ。

心外無別法 従容録
(半切)
しんげむべっぽう。
この世界は各自の一心の所現で
別法のないことをいう。

飛翔 故事
(半切1/2扁額)
空高く跳び立つ。仁者の高潔な心のたとえ。

碧梧含早涼 劉禹錫
(半切)
青桐に秋近い涼しさがただよって来た。

風塵表物 故事
(半切扁額)
世俗の人間をはるかに超えた、優れた人物のこと。
「風塵」は、風に舞う塵(ちり)、煩わしく汚れたもののたとえ。
転じて、汚れた浮世の意味を持つとされる。

求放心 孟子
(半切)
ほうしんをもとむ。
逃げた心を呼び戻す。修養の根本。

讀書志彌高 岑安卿
(半切扁額)
しょをよめば、こころざしいよいよたかし。
読書によって志は益々高まる。

善戦者不怒 老子
(半切)
よくたたかうものは、いからず。
戦いの上手な者は、感情に激して平静を失うことがない。

壺中天 漢書方術伝
(半切)
こちゅうのてん。後漢の費長房が市場の下役人であった時、壷を店頭に置いて薬を売る老婆がいて、売り終わると忽ち壷に入ってしまった。長房が楼上から これを見ていて翁をたずね共に壷中に入ってみると、中は立派な部屋で、酒や さかなが並べられ、ともに飲んだという故事に基づく。別世界・仙界、また、酒を飲んで浮世を忘れる楽しみの意

秋聲天地間 陸游
(半切)
見渡すかぎり秋声。

梅花香満村 陸游
(半切)
梅の香気が村中に満ちている。

清吟夜煮茶 郭畀
(半切)
夜には静かに詩を吟じつつ茶をたてる。

愁人難爲辭 陶潜
(半切)
物思いに沈んで、言う言葉もない。

忘機 故事
(半切1/2)
機は物を求める分別心。機を忘れるとは、求心やんで無心無作に悟ること。
従容録にみゆ。また李白の詩に「陶然共忘機」とある。

對客開春酒 汪廣洋
(半切)
来客と春の酒を酌む。

黄華夕露深 唐太宗
(半切)
夕べの露が深く菊の花をうるおしている。

肇祉 陸機
(半切)
祉は福。年の初めに当たって幸福をひらきはじめる。

青於藍 荀子
(半切)
藍草で染めた布は藍草よりも鮮やかな青色となる。弟子が師匠の学識や技術を越えるという意。また、学問や努力により持って生まれた資質を越えることが できるということ。  

南山壽 詩経
(半切)
長寿を祝う言葉。南山は周の都の終南山。

忘筌蹄 荘子
(半切)

筌は魚を捕るわな。蹄は兎を捕るわな。ともに獲物を捕るまでの道具で、 目的を達成すれば忘れてしまう。悟ってしまえば、手引となった書物や 手本は不要となる。それらを忘れるまで打ち込まなければならない。 

亀龍壽 楊子
(半切)
亀と龍は共に長生きするもの。人の長寿を祝うときに用いる。

清神養素 故事
(半切)
精神を清らかにし、平素から学芸を養うこと。

山珍海錯 故事
(半切扁額)
海の幸、山の幸。

谷神不死 老子
(半切扁額)
万物を生み出す谷間の神(自然の摂理)は、とめどなく生み出して死ぬことがない。