用例 墨場必携

小字句篇2(二~六字)


芳艸閉深春 陳則
(半切扁額)
春深く、香しい草が生い茂る。

神情朗達 晋書
(半切)
精神が闊達なこと。

物我両忘 菜根譚
(半切扁額)
物と我とふたつながら忘る虚静なる心境。

新月細如眉 廣瀬青村
(半切)
新月細くして眉の如し。

自我作古 宋史
(半切扁額)
われよりいにしえをなす。
古例にとらわれず、自分から新例をひらいて、
後の世の人がこれを古例として準用するようにする。
独創。宋の孝宗の語。

悠悠千古意 故事
(半切)
崇高で清らかな感情は
永遠に変わることがない。

高清 宋玉
(半切1/2扁額)

搖落 林逋
(半切1/2)
風に木の葉が落ちる形容。

桐吟雨 秦韜玉
(半切扁額)
桐の葉に雨がそそぐさま。

爽且明 謝荘
(半切)
さわやかで澄みとおっている。

水到渠成 范成大
(半切)
みずいたりて、きょなる。
水が流れると自然に溝が出来るように、
条件が整えば自然に物事は成就する。
あれこれ画策せず、自らの信じる道
を日々努力して進んでいれば、
いずれその努力は報われる。

清渓一片月 元好問
(半切)
渓流に一片の月がてらし、なんと清々しいことよ。

莫妄想 禅語
(半切扁額)
 まくもうぞう  妄想すること莫(なか)れ
  心の迷いにとらわれることなかれ

蜂去花心静 葉菌
(半切)
蜜を吸う蜂が去って花は静かである。

好古敏求 論語
(半切扁額)
いにしえを好み、敏に(さとく)求む。
古学を好み修養にはげむ。

發餘榮 韋應物
(半切)
栄誉を発す。

春波水上橋 故事
(半切)
「春波」は、春を告げるさざ波。

桃李争研 故事
(半切扁額)
桃や李の花が咲きそろってその美しさを競う春景

古木寒鴉山渓 韋元旦
(半切)
山のこみちの老樹に烏が止まっている様。

氷 壷  故事
(半切1/2扁額)
氷を入れた玉の壷。心の潔白なたとえ。
杜甫の詩に見ゆ。

酔裏楽天心 故事
(半切)
酒に酔い心境の天真を楽しむ。

鶴 心 清  故事
(半切2/3扁額)
子を思う気持ちの強い鶴のような純粋な清い心。

悪事行千里 故事
(半切)
あくじせんりをゆく。
悪い行いについての情報はとても速く、広く伝わる。
孫光憲「北夢瑣言(ほくぼうさげん)」に
「好事不出門,惡事行千里」とあり。

長 楽 無 極  故事
(半切扁額)
ちょうらく きわまりなし
楽しいことが長くいつまでも続きますように。

林 晩 鳥 争 樹  故事
(半切) 
林の晩れ、木々を鳥たちが飛び交うさま。